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2017/09/13 累積走行 196,848km

  ファイル008:【小田急の火事で思うこと】


 小田急電車が沿線火災で延焼食らった事件、大々的に報じられていますが、何の関係も無い部外者ですが思うところをひとくさり述べさせて頂きやす。

 電車に限らず私を含めて箱物を運転する人達ってのは、安全だとか法令遵守だとか踏むべき手順だとか常に言われるし、否応なく無意識に身体が動くレベルで訓練を積んでいるってモノです。 赤いモノには即応体制が出来ているんですわ、赤信号にしろ今回は「火」ですか。 当該運転士さんは『煙は見たけんども火は見てねぇから』って火災とまでは認識していなかったようで。 至極もっともですね。 普通は前がバッチリ見えて、信号が見えて、線路上に支障物が無ければそのままGOですわね。 一方では火事に対応していたプロ達も活動していたわけです。 消火活動の支障になるし

 「走らしたままじゃ危ねぇから電車を止めようぜっ」

てな事で衆議一決、近くにある踏切の非常ボタンを押したわけですね。 火事にはプロでも電車の事は素人なわけで、とにかく非常ボタンを押せば電車は止まるだろうと“漠然と”考えて操作したんじゃないですかねえ。 無理も無い事です。

 電車は押されたボタンで自動的に非常手配され『え?なになに?』って感じで停止。 タイミング悪く火災現場に停車します。 乗務員には火災の認識がありませんから非常信号は前方の踏切支障だという認識で、踏切の安全確認に走り、その8分間で電車に延焼という最悪の事態に進行してしまいました。

 私思うに、非常に運の悪いケースであったけれども、システムに問題なかったの?と言わざるを得ませんね。 小田急は非常ボタンが押されたら電車に自動的に非常ブレーキが掛かる仕組みになっていたわけです。 つまり、非常停止という行為が運転士の意志では無く、素人の意志に委ねられていたという点です。 さらに、非常ボタンの解除に一手間二手間あって、素早くケースクローズに出来なかったのも事態を悪化させました。 電車を止めた側の当事者も、当該乗務員に素早く事態を知らせることが出来ていたのか、電車が止まれば『あ〜良かった』で終わっていたんじゃないかな〜って勘ぐったり。 8分って時間にも違和感がありますが、フツーこんなモノなんでしょうか? 人身事故で轢いちゃったけれど、駅構内だったんで、職員総出で『どっこいしょ』って仏さんを脇へどけて4分で運転再開って伝説もありますからねえ。

 しかし、これらほぼ一般的になっているシステムでして、たとえば駅ホームの柱にある非常停止ボタンなんかもその類いです。 急カーブの手前で自動的に減速出来るようにATS替えろとか、国主導でシステムにあれこれ口出しし始めてからこういう傾向です。 まあ、尼崎の事故とかデカイ事をやらかした、言わば身から出た錆みたいなところですが、鉄道会社はお金も潤沢にあるわけで上目遣いで忖度に走っているのでしょうか。 阪急京都線の特急に乗っていて、勿論先頭かぶりつきの特等席で走りを眺めていた時、一直線の線路を気持ち良〜く高速走行中に突然非常ブレーキが掛かるんです。 急減速中に今度は緩解、やれやれと走り始めると非常ブレーキ、走ってはまた非常ブレーキ。 一体これは何が起きているのか?理解するのに一寸間が必要でした。

 そう、踏切の障害物検知システムと非常ブレーキが連動しているのです。

 踏切が鳴動を始めてからクルマなり人なりそれ相当の大きい物体が検知ビームを切れば、システムが支障ってことで赤信号が出ます。 出れば有無も云わさず自動で非常停止手配というのが阪急のお考えのようです。 これって運転士が信用されていないシステムなのかぁ?って勘ぐりたくなりますよねぇ。 前述の通り、運転士は赤を見れば「おやっ?」と思う→ブレーキ手配→停車→安全確認→運行継続って流れで事は進むわけですが、「おやっ?」と思う間に非常手配せんか!ボケッ!!と突っ込まれているようで気分良いものじゃぁーありませんやね。

 その昔、京急の乗務員教習所へお邪魔して見学した時に、モノホンの電車の模擬運転装置を操縦させてくれた事があったんです。 まさに運転士気分、快調に飛ばしていると『信号喚呼なんか本物だねえ』って社員の皆さんから声援が飛びます。 そんな次の瞬間!踏切に人が入ってきました!!「うわぁ!!」と思って非常手配したんですが、轢いちゃいました。

 「あんたは遅いねえ、それじゃぁ運転士は無理だよ」

 って鼻で笑われました。 直前横断ですからどうせ轢いちゃうんですが(笑)、問題は飛び出し認知からブレーキ手配までの反応時間が“1.5秒”だったことです。 これじゃ遅いわってんで訓練を積むんです、運転士って。

 非常ボタンは、「非常停止ボタン」ではなく「非常報知ボタン」であるべきだと私は思っています。 止まる止まらないは、あるいは止まる場所も含めて、あくまで責任者たる運転士の意志で決定されるべきじゃないですか。 当事者皆がシステムに頼り切って、思考を鈍らせていたら簡単に危険の罠に嵌まるんだという事。 自動運転バスやタクシーなんかが実験段階にある昨今、お猿の電車やお猿のタクシーになるのは御免被ります。 て言うか、もうそういう時代に入っているって事でしょうかね。 くわばら、くわばら。

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